ここでは、転職に関する様々な悩みや疑問についてアドバイスしていますが、今回は、転職を家族に反対された場合(いわゆる「嫁ブロック」)の対策についてです。
今の職場での不満を、勤務先では解決できないことが明確になれば、転職を決意することになります。その後、転職活動を開始するわけですが、転職活動では書類選考・面接という大きなハードルが待ち構えます。ミドルの転職においては、面接が1回で終わることは少ないです。しかるべきポジションへの転職であれば、内定を獲得するまで3回の面接は必要でしょう。それらを全てクリアするのは簡単ではありません。
幸いに、その全てをクリアして、希望する求人の内定をもらったとしても、もうひとつのハードルが待っています。それが「嫁ブロック」です。
では、もし、嫁ブロックを受けた場合は、どのような対策を行えばいいのでしょうか?
そこで今回は、その点について以下に整理してみました。是非、参考にしてくださいね。
1.嫁ブロックとは?
「嫁ブロック」とは、本人は内定を承諾して転職するつもりでいるにも関わらず、奥さんがその転職に反対して、転職が成立しなくなることをいいます。奥さんが、転職することをブロックすると言う意味で「嫁ブロック」と言われるわけです。
ちなみに「嫁ブロック」という言葉は、一般人が言い出した言葉ではなく、転職サービスに従事する方々が使用していて広まった言葉です。
2.嫁ブロックが発生する共通の理由と、その基本的な対策
最初に、「嫁ブロック」が発生する場合の共通した理由と、その基本的な対策について触れていきます。
①嫁ブロックが発生する共通の理由
奥さんは、今までの生活が変わることへの不安から、転職に反対して「嫁ブロック」を発動します。
女性の社会進出も進んできたとはいえ、やはり家事を行い、子育ての中心を担うのは奥さんである家庭が多い実態では、家を守っていくために、出来ることなら今の生活が変わることを避けたい、と奥さんは考えます。
男性も、立場が変われば同じ指向で物事を考えることになるでしょう。
②嫁ブロックの基本的な対策
では、せっかく内定を獲得したにも関わらず、「嫁ブロック」を受けた場合はどうすればいいのでしょうか?
まずは、奥さんの話に耳を傾けてください。真剣に聞いてください。話を遮るようなことはせず、奥さんの言いたいことを全て話してもらい、嫁ブロックの理由をしっかり理解しましょう。
その後、自分の現状をしっかり説明して、自分の置かれた境遇を奥さんに理解してもらうように努めましょう。ここは話を端折ることなく、時間をかけて十分な説明をする必要があります。それをしっかり行わなければ、転職に関する話をいくらしても平行線を辿る可能性があります。
その現状をしっかり説明できたら、それに伴って想定される今後の不安について共有しましょう。この状況が続けば、今後どんなリスクが発生すると考えているか、腹を割って話するのです。
そして、その不安を解決する最善の方法が転職であり、今回、内定をもらった転職先であれば、その不安を解消してくれることをしっかり説明して、奥さんに理解してもらうのです。
上記のステップはどれもスキップすることは出来ません。各ステップ毎に十分な時間をかけて話をして、二人ともに納得して結論を出すことが大事になります。
3.嫁ブロックの理由別対策
上記にて、「嫁ブロック」が発生する場合の共通した理由と、その基本的な対策についてご説明しましたが、奥さんが実際に転職に反対する理由は様々です。そこで、以下では「嫁ブロック」の主な理由別対策について触れていきます。
①給与が下がる
給与が下がる転職を検討している場合、生活を守っていくために奥さんの抵抗は大きくなりますから、その減額の影響度に応じて十分な議論が必要になります。
生活費が削られることはなく、また目的が明確な貯蓄(持ち家の購入等)を減らす必要がない場合、つまり、目的が明確ではない貯蓄や、娯楽に関する費用等が削られる程度の減額の場合は、新たな職場で真剣に仕事に取り組むことにより、将来的な年収アップに努める旨を伝え、説得していきましょう。
生活費を削られるまでの減額ではないが、目的が明確な貯蓄を減らす必要がある場合は、奥さんと一緒に貯蓄計画の見直しを行って、目的達成の時期が遅れてしまっても許容範囲であるのかどうか、見極めましょう。
生活費が削られるぐらいの減額が発生する場合は、家族の反対を受ける前に、そのような転職は避け、別な条件のいい求人を探してみる努力も必要になります。ただ、それも避けられない場合は、生活費の何を削り、どのような生活レベルになるかをシュミレーションして、奥さんと合意する必要があり、十分な時間が必要となります。
②転職先のネームバリューが低い
思った以上に「嫁ブロック」を受ける理由となるのが、転職先のネームバリューの件です。現在、一流と言われる企業に勤務している方であればある程、この理由で転職を反対されるケースが多くなります。
人間は、知人・知り合いとの間で「見栄」を張り合いながら生きている側面がありますが、「見栄」のひとつに「夫の勤務先」も挙げられるため、企業のネームバリューというのは、思った以上に重要なものなのです。
この場合は、
- 今の会社の懸念点
- 転職先の良い点
を客観的(主観的・感情的ではなく)に伝えることが重要となります。転職先の良い点については、
- 近年における売上・利益額が好調であることを示す資料
- 転職先が子会社の場合は、親会社の規模・創業年数などの安定性を示す数値
- 口コミサイトでの良い評価内容
などが挙げられます。
夫の転職先について、奥さんが友人らに対して、企業のネームバリュー以外の部分で語れる部分を作ってあげる必要があるのです。
上記が挙げにくい場合は、その企業に就職することにより、役職が上がる・年収が上がる(評価されている)ことを伝えることも、語れる部分を作るという点で意味があります。
③転職で引っ越しが必要
引っ越しを伴う転職の場合は、「嫁ブロック」を受ける可能性が非常に高くなります。
- 子供を転校させたくない、子供の教育環境を変えたくない
- 奥さんが仕事をしていて、その仕事を辞めたいと思っていない
- 奥さんの交友関係を維持しにくくなる
- 見知らぬ環境で、ご近所付き合いをしていくは大変
といった理由により、転職に反対されるのです。
この場合は、引っ越し先の地域の魅力を客観的に伝えるように努め、奥さんや子供にとって、引っ越しがデメリットだけではないことを理解してもらうように心がけましょう。
ただ、どうしても理解が得られない場合は、単身赴任により、奥さんや子供に極力迷惑をかけないように配慮する、といった判断も必要になります。その場合は転職先に対して、単身赴任による生活費増分を、社宅提供・手当、もしくは年収のアップ等により補填してもらう交渉も必要になります。
④将来的な転勤への懸念
現在の企業では転勤を伴う異動がないのに、転職先ではその可能性がある場合、「嫁ブロック」を受ける可能性があります。マイホームの購入等を考えているようであれば、反対される可能性も大きくなるでしょう。
将来的なことですので、心配は杞憂に終わる可能性もある訳です。そのため、この件については、そのような状況となった時に引っ越しが難しい場合は、単身赴任することも考えており、奥さん自身の生活環境を大きく変えない配慮をするつもりであることを伝える形で十分ではないか、と考えます。
4.最後に(嫁ブロックを受けないために)
「嫁ブロック」が起きた場合の対策は上述の通りになります。
ただ、出来ることであれば、「嫁ブロック」自体を受けないようにしたいものですよね。そのためには、タイムリーに自分が転職を考えざるを得ない状況であることを伝えていくことが必要になります。ですので、出来ることであれば、奥さんには折に触れて職場での状況を共有しておくことが大事になります。
唐突に「転職させてくれ!」と切り出した場合、奥さんが拒絶反応を示す可能性は大きいです。そういう状況となれば、上記のような対策を行うしかありません。ただ、「嫁ブロック」を解除するには結構労力がかかるものですから、予防策を講じる方が賢明と言えるでしょう。
以上にて今回の件の回答とさせていただきますが、それ以外の転職に関する様々な疑問・悩みにについても、転職の疑問・悩みについてアドバイスします!、でお答えしていますし、おすすめの転職サービスで紹介している転職エージェントに様々な疑問・悩みを相談してみるのもいいでしょう。
是非、参考にしてみてください。